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女神 「遊び」をクリエイトする

女神 80年代は8チャンネル

考え事をした夜は、眠りも浅く、
いつもより少し早く目が覚めました。

私の頭の中は、
堂々巡りで、
その分、
この嫌な予感は、ほぼ的中するであろうことが
簡単に想像できました。

案ずるより産むが易し

ふと、そんな言葉が
私の頭の中をよぎりました。

人に相談するのが苦手な私です。
でもここは、
このストーリーの発生源に振り戻すしか方法はないと
思い切って連絡を取ることに決めました。
金曜日のことです。

いつの時間があいてるのか？分からないほどの
小さな個人の自動車学校では、
電話をするより
携帯メッセージで直接アポイントを取ったほうが良いだろう…
そう思い、
「アイデンティティカードについて相談がある」旨をメッセージしました。

1時間ほど経ち、返事が来ました。

「お昼前に会いましょう。」

市役所からは、まだ電話はかかってきていません。

無意識でしたが、
全ての書類と身分証明書をカバンに突っ込み
家を飛び出しました。

「これでは、ダメです！」

あっけなく言われてしまいました。

「公的な書類、出生証明書をつけてもですか？」
「保証はない。」

あぁ、どうしよう…

「あの、まだ、役所から電話がないのです。全ての処理をしてくれたシニョーラの電話番号がここにあります。一言伝えてはもらえないでしょうか？」

自動車学校の先生は、二つ返事で了解してくれました。
なぜか、シニョーラに直結する、その番号は、
今回もやっぱり
シニョーラが対応してくれました。

自動車学校の先生が聞いたとて、
最初のうちは、
私に言ったことと同じような返答でした。
ただ、
やはり、
ここはイタリア。

少し待たされることにはなりましたが、
先生の説得が聞いたのか、
シニョーラが機転利かしてくれたのか、
なんと、
交渉が成立したのです。

訪ねてから、30分という時間が経っていました。

「気が変わらないうちに、すぐに発行手続きをした方がいい。」

言われるがまま、
外に飛び出しました。

時計の針は12:30をさしています。

市役所の営業時間は、13:00まで。
歩いて行ったら、とても間に合わない距離です。

タクシーの手配をと
1軒目に電話をすると、
「ただいま対応できるタクシーがありません。もう少し後で電話をしてください。」
と一方的に切られてしまいました。

慌てて、もう一軒に連絡をし、
「5分後に」と、ようやく捕まえることができました。

フィレンツェにはなぜか、
門と門をつないでいる幹線道路を走るバスがありません。

交通渋滞を巻き起こす幹線道路は、
その日も相変わらず、
混んでいました。

アプリケーションの発達している昨今は、
窓口でなくても、番号札を取れる
便利な機能が発達しています。

25人待ちの窓口は、
今だったら間に合うことを証明してくれていました。

勝利の女神は、微笑みつつあります。

混み合う道をすり抜けて、
市役所にたどり着いたのは
13:00に限りなく近い位置を
告げていました。

間に合った…

安堵感に浸る間もなく、
市役所の窓口に飛び込んだのでした。
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